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しぬまえにおじいさんのいったこと
詩：谷川俊太郎、曲：萩京子
歌：大石哲史、花島春枝、髙野うるお、鈴木裕加、彦坂仁美、沢井栄次、金村慎太郎、川中裕子、入江茉奈
ピアノ：萩京子

結婚を祝う「祝婚歌」ならぬ「祝魂歌」は、谷川俊太郎さんの編纂により死にまつわる古今東西の詩が集められたアンソロジーで、「しぬまえにおじいさんのいったこと」は谷川さん自作の詩としてそこに組み込まれている。
私はこの詩を、「祝魂歌」のなかで発見したと記憶していたが、「祝魂歌」が出版されたのは2003年。私が「しぬまえに～」を作曲したのは2002年だったのだから、それは違っていた。
2002年に、私は混声合唱とピアノのための「きもちのふかみに」と題して、広島の合唱団うたがきのために、谷川さんの詩を5編選び、作曲した。そのなかに、「しぬまえに～」は入っているのである。
その後、詩集「祝魂歌」に出会ったわけだ。どの詩にもひきつけられたが、そこから5つの詩を選び、混声合唱のための「祝魂歌～今日は死ぬのにもってこいの日」を作曲したのが2005年。「しぬまえに～」を「祝魂歌」に加えたい気持ちもあったが、すでに作曲してしまっているし、「きもちのふかみに」の方に入っているので、それは断念。合唱曲集としての「祝魂歌」には谷川さんの詩の曲はなし、ということになった。
しかし何年たっても私は「しぬまえに～」の楽譜を探すとき、どうしても「祝魂歌」に入っているような気がして、そちらを開いてしまうのである。