◆うたものがたり『よだかの星』出演者インタビュー その8 沖まどか2018-03-09
オペラシアターこんにゃく座 歌役者
沖まどか(おき・まどか)
2009年入座。大阪府大阪市天王寺区出身、武庫川女子大学声楽学科卒業。
テーマ:「猫」
─猫が好きなんだ。わりと初耳かも。
沖/好きなんですけど。でも別に、むこうから寄ってきてくれるわけではないんですけどね。
─家で、飼っていたの?
沖/飼ってないです。おばあちゃんのところで飼っていたんですけど、遊びに行っても、妹が独占していて、私は遠目に見てるだけだった。
─なつかれない(笑)?
沖/そう。なつかれない。それでも猫はかわいいから好きなんです。
─まどかのかわいいって思う感じはどういう感じなんだろう。
沖/うーん、熊のぬいぐるみがかわいいって思う感じ。だから特に子猫が好きなんですよ。去年『ロはロボットのロ』の旅公演で、一週間くらい名古屋にいたときに、ホテルの近くに猫カフェがあったんです。三日連続とか、すごい通っちゃった。そこの猫カフェの猫は、愛想がよくて、こんな私に猫が寄ってきてくれるなんて体験初めて!っていう感じでした。猫じゃらし持っているだけで。そういえば、家族もみんな、猫派なんです。
─でも、飼おうってことにはならなかったんだね。
沖/そうなんですよ、マンションってこともあって。1995年の大震災で宝塚に住んでいたおばあちゃんとおじいちゃんの家が無くなってしまった時に、大阪の私の家に来て一緒に住んだんです。その時に猫も一緒に来て、その時だけは一緒に住んでました。
─まどかはキャラクター物がすごく好きでしょ。猫好きっていうのは、キャラクター好きにもつながるものがあるのかな。最初は何のキャラクターが好きだったの。
沖/ポチャコ。
─? ポチャコってどんなの? 知らない~。
沖/サンリオの犬のキャラクター。(スマホで画像を出して見せる)テストが早く終わると、よく用紙の裏にこれのイラストを描いて遊んでたな。
─あー、これね。見ればわかる。
沖/あとは、ゴーヤーマンが好きだった。
─ゴーヤーマンって?
沖/NHKの朝ドラの「ちゅらさん」の。ドラマも好きでよく見ていたの。
─見てたよ、「ちゅらさん」。
沖/えー! 見てたのに、ゴーヤーマン知らないの?!
─どういうシチュエーションで出てきたっけ?
沖/ゴリ(の演じた役)が開発したキャラクターグッズ。
─はいはい。そうだったかな? それにしても、かわいいの基準がよくわからない。あとスヌーピーが好きでしょう? あとは何が好きなんだっけ。
沖/ディズニー。
─あ、そうだった、ディズニー。ディズニーならなんでもいいわけ。
沖/ディズニーだと、ミッキーが好き。あとはダッフィー。
─あー。足のうらがミッキーのクマね。
沖/そうそう。猫はね、キャラクターとかじゃなくって、実物が好きなんです。
猫カフェの猫。触らせてくれた!
─最近、〇〇カフェって多いじゃない。わたしはあまり行ってみようって思わないんだけどさ、猫カフェに行くのは、癒されるに行くって感じなの。
沖/癒される。ずーっと見ていたい。基本的にわたしは猫に触れないというか触らせてもらえない人だったから、見てるタイプなんですよ、ずっと見ていたい。そうそう、猫と言えばね、私寅年なんですよね。トラ大好きで。
─トラ大好き?
沖/そう。ずーっと前から。動物園とかに行ったら、いつまででもずーっと見ていられる。猫を感じるんですよね、ふとした瞬間に見える足の裏とか。
─ふーん。猫と寅、好きになったのはどっちが先なの。
沖/どっちが先とかはないんです。猫は別にわたしには何もしてくれないけれど、ニャーとか言われると、あははははって言いながらずっと見てる。
─いまは住まいとか、こんにゃく座の仕事のこととか、いろいろと環境が許さないと思うけど、許せば一緒に住みたいとか思う。
沖/思う。それで、一度でいいから私になついてほしい。六本木の俳優座劇場の近くにペットショップがあるんですけど、前の公演の時に、そのペットショップ、アメリカンショートヘアのブラウンの子がいて、その子猫の前にずっといて、動画と写真を撮りまくっていた。
─家の中は、キャラクターのものとかがたくさん置いているタイプ?
沖/すごくはない。キャラキャラキャラってしたいわけではないから。普通の中に、ちょこっとここだけかわいいゾーンがある、とかっていう感じがいいと思う。
─全部をキャラクターで埋め尽くしたい! ってわけじゃないんだね。
沖/ある程度スタイリッシュがいいと思ってる。
─スタイリッシュ…?
沖/たとえば、たくさん水玉がある中に、よくよく見ると、ひとつだけミッキーの形があるとか、そういうのがよくって、
─さりげないのがいいの。
沖/そう、そう。さりげないのがいい。だから全身ヒョウ柄とかは好まない。でも、さりげなくどっかにいたりしたらかわいいなって思うかもしれない。さりげないのが好きです。
─誰かに気づいてほしいっていう欲求はないの、あくまでも自己満足的に。
沖/自己満足です。それでぜんぜん満足です。私の持っているものをかわいいって思われなくって、ぜんぜんいい。気づいてもらえたら、それはそれでうれしいかもしれないけど、それを求めてはいないな。
─ディズニーランドって、年間にどのくらい行くの。
沖/一時期に比べていまはかなり減って、一年に一回いけばいいかなって感じ。前は、1シーズンに一回くらい(年4回)行ってた。
─まどかは一人でお店に行ってご飯を食べるとか、わりと平気な人なんだっけ。
沖/半々ですね。行けるところとそうでないところがある。店の雰囲気かな。パスタ屋さんとかは一人で行けるけど、この前お寿司屋さんには行けた! ラーメン屋は行かないし、居酒屋も一人はさすがに難しい。でも、カフェは一人で行くし、パンフレットとかチラシを書いたりするのは、家ではやれないから、そういった書き物をするときはカフェでやりたい人。家だと誘惑が多くて集中力が続かない。
私、今回、何か好きなものって言われて、すごい困ったんです。
─そうか。たとえば、趣味はなんですかって言われたら、なんて答える。
沖/昔は舞台観劇だった。高校生のころはいまより行っていたんじゃないかな。宝塚も、好きな人がトップだった間は、月に十回くらい行っていたときもあったけど、最近は行ってないし。趣味って言われて思いつくものがないなって思って。
─もともとこんにゃく座に入る前は、うたうことも好きなことだったんじゃないかなって思うんだけど、いま、うたうことっていうのは、職業って感じ?
沖/うーん、そうでもなくて、好きなことだけど、でも別にカラオケに行って歌いたいかと言われたら別に違うし、友達にちょっと歌ってよって言われても歌いたくない(笑)。舞台の上ならいいんですけどね、ノリで言われても、すごく困っちゃう。
目立ちたがり屋なようで、目立ちたがり屋じゃない。目立ちたくないんです。
─ふーん。でも、本人がそう思っていても、決して目立たないわけじゃないけどね(笑)。
(聞き手・田上ナナ子/こんにゃく座制作)