『宮澤賢治歌劇場』について

 

 こんにゃく座は1980年代より、宮澤賢治の作品をもとにしたオペラづくりをはじめました。その手法は、基本的には賢治の文章をそのままオペラ台本とする方法をとっています。賢治のことばは、語られ、歌われることにより、さらにいきいきとした魅力があふれだします。そしてその独特なリズムがあたらしい歌を生み出す原動力となります。
 シェイクスピアやモーツアルト、古今東西の世界文学の中に新しいオペラの可能性を求める一方で、私たちは宮澤賢治オペラを大切にしていきたいと思っています。そして、「どんな場所も、見てくれる観客がいるかぎり、そこを私たちのオペラハウスに」、というこんにゃく座の思いを実現するために、『宮澤賢治歌劇場』は生まれました。1992年5月、渋谷ジァンジァンでの『猫の事務所』と『北守将軍と三人兄弟の医者』の2本立て公演を皮切りに、'94年には『ひのきとひなげし』『賢かった三人』、'99年には『フランドン農学校の豚』『虔十公園林』と、個性的な意欲作を生み出して来ました。
 『宮澤賢治歌劇場』は設備の整ったりっぱな劇場を求めません。人が集まれる空間があれば、どこへでも出かけていきます。一本の柱を立て、幕を引き、その前で、歌い語ります。
 それが『宮澤賢治歌劇場』です。

 

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